日本映画

昭和46年版、篠田正浩監督の「沈黙」で、フェレイラを演じたのは丹波哲郎

マーティン・スコセッシが遠藤周作の『沈黙』をつくっているようですが、こちらは昭和46年(1971年)版です。 監督は篠田正浩。ということで、表紙、右上の女性は当然、夫人の岩下志麻です。 この映画は、原作者の遠藤周作と篠田正浩の共同脚本でもあります…

美少女時代の和泉雅子が出ていた浦山桐郎監督の「非行少女」

今回は珍しいチラシです。ビデオカセット(VHS)やDVDが登場する前の時代、個人が映画をコレクションしようとする場合、8ミリか16ミリか、フィルムしかありませんでした。洋画は8ミリも結構ありましたが、邦画の場合はほとんど16ミリだったと思いま…

鶴屋南北の「盟三五大切を映画化した松本俊夫のATG映画「修羅」

ATGの映画のチラシです。 1971年(昭和46年)に公開された松本俊夫監督・脚本の「修羅」。松本俊夫はアヴァンギャルドな作風の監督で、この2年前、「薔薇の葬列」で長編映画デビューしました。「薔薇の葬列」は、ピーターのデビュー作でもあります。 さて…

京マチ子、司葉子、団令子、星由里子。美人女優競演の東宝映画「沈丁花」

日本映画がまだ多少は華やかであった頃の映画という感じです。 昭和41年(1966年)公開の東宝映画「沈丁花」。並ぶのは美人4姉妹を演じていた京マチ子、司葉子、団令子、星由里子の皆様(左から)。和装もなかなか良いものです。 表紙を開きますと...

関口宏のお父様、佐野周二がイケメン・スキーヤー姿の昭和13年・帝劇のプログラム

昭和10年代の映画館は上映作品・次回作品紹介の小冊子を出していました。これを宣伝用のチラシというべきか、映画館のプログラムというべきか、タグをつけるときに、いつも迷ってしまうのですが、今回からプログラムの範疇に入れようかなと思いまして、「プ…

昭和のコメディアン、金語楼が表紙の昭和10年のチラシ。円谷英二が本名の英一を名乗っていた頃

我が家で発掘したもの中で、ひょっとしたら、最も古いものかもしれないチラシです。 三つ折のチラシの表紙部分で、戦前ですから横書きは右から読みます。頭の見出しが「近日公開の金語楼出演第1回オール・トーキー」です。写真の人物は、昭和の人気落語家に…

黒澤明初のカラー映画「どですかでん」

「あかひげ」から5年、映画産業の衰退もあり、日本ではなかなか思うように映画を撮れず、海外と組んだ「トラ・トラ・トラ」もハリウッド流の製作方針と対立し、降板となった黒澤明は、木下恵介、市川崑、小林正樹と「四騎の会」を結成します。その第1回作品…

三國連太郎も出ていた浅丘、有馬、岡田3大女優競演のアートな「告白的女優論」

「釣りバカ日誌」シリーズの「スーさん」で親しまれていた三國連太郎さんが亡くなりましたが、三國さん、昭和の時代には、アートな映画にいっぱい出ていました。そうした中の1本です。 昭和46年(1971年)公開の「告白的女優論」のプログラムの表紙です。日…

寺山修司脚本・東陽一監督の「サード」のちらしは少年院の日課表付き

既にプログラムを紹介しておりますが*1、寺山修司脚本・東陽一監督の「サード」のちらしです。 銀座にあったATG(日本アート・シアター・ギルド)の上映館「日劇文化」の「近日ロードショー」ちらしです。上のプロフィール、そして下の走っている少年は、永…

永島敏行、森下愛子が初々しかった寺山修司脚本、東陽一監督の「サード」

数々の名作を送り出してきたATG(日本アート・シアター・ギルド)と幻燈社の提携作品です。 1978年(昭和53年)に公開された「サード」。監督は東陽一。脚本は寺山修司です。主演は、この表紙で海を眺めている永島敏行。そしてヒロインが森下愛子でした。ふ…

昭和13年、東宝の映画館のチラシの表紙は愛らしい原節子

「新宿・大東京」改め「東宝映画劇場」の昭和13年(1938年)の2つ折りのチラシです。 表紙は「永遠の処女」といわれた原節子。1920年(大正9年)生まれの方ですから、このとき、18歳。かわいいです。 そして上映作品は... 2本立てで、1本は川口松太郎原作の…

やっぱり坂本龍馬といえば、原田芳雄。黒木和雄監督の「竜馬暗殺」

昭和49年(1974年)8月発行のATGの「アートシアター」111号の表紙です。 原田芳雄主演、黒木和雄監督の傑作「竜馬暗殺」であります。古いので、ちょっと表紙が汚れています。表紙を開くと、目次です。 映画評論の重鎮、双葉十三郎のコラムの下に、小さく目次…

仲代達矢、栗原小巻、酒井和歌子が出ていた小林正樹監督の「いのちぼうにふろう」

昭和(戦後日本)を代表する映画監督というと、すぐに黒澤明という話になりますが、日本だけでなく国際的にも評価が高かった監督といえば、小林正樹を忘れていはいけません。その晩年の一作... 1971年(昭和46年)公開の「いのちぼうにふろう」。原作は山本…

三船敏郎、中村錦之助、石原裕次郎の大型戦国時代映画「風林火山」

テレビの隆盛に対抗して、映画は豪華キャストとスケールでテレビを圧倒しようとした時代がありました。そんな時代の一作です。 威風堂々の戦国武将を演じる三船敏郎。1969年公開の「風林火山」のプログラムの表紙です。昔の映画俳優には貫禄がありました。た…

ユル・ブリンナー、リチャード・ウィドマーク、ジョージ・チャキリス主演の日米合作映画「あしやからの飛行」

1964年(昭和39年)ですから、東京オリンピックの年に公開された日米合作映画のプログラムです。 「あしやからの飛行」ーーご覧のように、手前からユル・ブリンナー、リチャード・ウィドマーク、ジョージ・チャキリスといった豪華出演陣です。チャキリスは19…

寅さんの前は、トシだったーーアフリカ長期ロケを敢行した渥美清主演、羽仁進監督の「ブワナ・トシの歌」

「フーテンの寅さん」で国民的キャラクターとなった渥美清さんですが、「男はつらいよ」シリーズだけの人ではありません。1965年(昭和40年)には、こんな意欲作にも出ていました。 羽仁進監督の「ブワナ・トシの歌」。有楽町にあった映画館、ニュー東宝のプ…

ATGの時代。岡田茉莉子主演、吉田喜重監督の「煉獄エロイカ」

1960-70年代、日本映画のアートシーンで最も存在感があったのはATGでした。そのATGと現代映画社の提携作品... 吉田喜重監督が夫人の岡田茉莉子主演で作った「煉獄エロイカ」。1970年(昭和45年)の公開で、伝説の映画館「新宿文化」のチラシです。裏は、こん…

1960年代・青春群像劇の代表作。田中邦衛、山本圭、佐藤オリエの「若者たち」(映画版)

ウィキペディアによると、テレビ番組として1966年(昭和41年)に放映され、映画版は1967年(昭和42年)から自主上映方式で公開された、この作品 http://bit.ly/M75dQj">*1... 「若者たち」。2つ折りのチラシの表紙です。半世紀たった21世紀に、1960年代の市…

松本清張の推理小説の映画化といえば、この映画。野村芳太郎監督の「砂の器」

松本清張の推理小説は映画やテレビになっているものが多いですが、その中でも傑作として評価が高い映画といえば、こちらでしょう。 1974年(昭和49年)製作の「砂の器」。その公開時のプログラムの表紙です。監督は野村芳太郎。脚本は橋本忍と「男はつらいよ…

昭和48年、観客動員数2位の映画は池田大作原作・橋本忍脚本・舛田利雄監督の「人間革命」

ともあれ、こちらの特別鑑賞券... 創価学会の礎を築いた前会長、戸田城聖氏の生涯を描いた池田大作会長の小説の映画化であります。歳がわかってしまいそうですが、学校に熱心な信者の友だちがいて、連れて行かれました。映画は好きだったので見に行きました…

加藤剛、栗原小巻主演、熊井啓監督の「忍ぶ川」

日活で社会派映画を撮ってきた熊井啓監督が東宝で作った恋愛文芸映画。加藤剛、栗原小巻主演で、1972年(昭和47年)の作品。まずは2つ折りのチラシの表紙部分。 がちがちの恋愛映画っぽい作りです。で、この映画、チラシはカラーでも、撮影はモノクロ(白黒…

本多猪四郎監督、円谷英二特撮監督の「三大怪獣 地球最大の決戦」

日本のSF映画といえば、やはり円谷英二。その円谷英二が生んだゴジラ、ラドン、モスラが、ヤマタノオロチならぬキングギドラと戦うという東宝映画の正月超大作が「三大怪獣 地球最大の決戦」。東京オリンピックがあった1964年(昭和39年)年末の公開。怪獣オ…

原田芳雄主演、黒木和雄監督、田原総一朗原作の「原子力戦争」

田原総一朗さんが書いた「原子力戦争」を原作にした黒木和雄監督の映画。1978年(昭和53年)の作品で、そのATG(アート・シアター・ギルド)のプログラムがこちら... モノクロに赤の「アートシアター」のロゴがオシャレです。題字の下に「原子力戦争」のタイ…

映画の特別鑑賞券「女王陛下の007」「ジョニーは戦場へ行った」「ラムの大通り」

発掘された映画の特別鑑賞券をアットランダムに。まず、こちら... ご存知、ジェームズ・ボンド、007シリーズの第6作「女王陛下の007」。ボンド役は、ショーン・コネリーから初めての交代で、ジョージ・レーゼンビー。でも、この2代目、この1作だけで消えてし…

田原総一朗+清水邦夫の「あらかじめ失われた恋人たちよ」

いまは評論家・ジャーナリストの田原総一朗さんがドキュメンタリー番組のディレクター時代に劇作家の清水邦夫さんと組んで作ったATG映画。1971年(昭和46年)公開で、こちらは「アート・シアター新宿文化」のチラシ... 2つ折りで表紙にあたる部分。下に「OH,…

銀座・並木座の「リクエスト作品選」1972年秋の始まり。表紙は三船敏郎主演、小林正樹監督の「上意討ち」

銀座・並木座のリクエスト作品特集。こちらは1972年(昭和47年)8月30日〜10月3日上映作品を紹介したチラシ。表紙はこちら。 三船敏郎の気迫溢れる殺陣のワンショット。「上意討ちーー拝領妻始末」からのものです。監督は黒澤明ではなくて、小林正樹。「切腹…

銀座・並木座の「リクエスト作品選」1972年夏の始まり。表紙は三船敏郎、志村喬主演、黒澤明監督の「酔いどれ天使」

銀座・並木座のリクエスト作品特集。1972年(昭和47年)6月28日〜8月1日上映分のチラシ。表紙は、こちら。 左が三船敏郎で、右が志村喬。黒澤明監督の「酔いどれ天使」ですね。1948年(昭和23年)公開の戦後日本映画の古典です。で、この時のラインナップは…

銀座・並木座の「リクエスト選集」1971年春。表紙は高倉健、藤純子主演「死んで貰います」

昔々、レンタルビデオやDVDの前の時代、今のようにシネコンで昔の映画を上映したり、BSやCSで映画チャンネルが花盛りになる前の時代、街には旧作を中心にアートな映画、カルトな映画を上映する名画座と呼ばれる映画館があった。どのようなラインナップを組む…

昭和13年、日本人は新宿で、南京攻略戦の記録映画と一緒に、ポパイ、ミッキー、ベティ・ブープを見ていた

昭和13年(1938年)4月頃とみられる新宿映画劇場・文化ニュース劇場のチラシ。2つ折りのチラシの表紙を見ると、一押しは東宝文化映画部製作の「南京」。前年1937年12月の日本軍による南京占領の記録映画(この南京攻略戦の際に南京事件=南京大虐殺=が起き…

昭和48年の初春は「男はつらいよ・寅次郎夢枕」「舞妓はんだよ 全員集合 !!」の2本立て

シネコン時代の現在とは違って、東映、東宝、松竹が張り合っていた昔の日本映画では2本立てが当たり前だった。で、昭和40年代、松竹が正月とお盆に繰り出していた鉄板企画が寅さんとドリフターズの2本立て。で、1973年(昭和48年)の正月はこちら... 渥美…