昭和13年、東宝の映画館のチラシの表紙は愛らしい原節子

 「新宿・大東京」改め「東宝映画劇場」の昭和13年(1938年)の2つ折りのチラシです。

 表紙は「永遠の処女」といわれた原節子1920年大正9年)生まれの方ですから、このとき、18歳。かわいいです。

 そして上映作品は...

 2本立てで、1本は川口松太郎原作の「鶴八鶴次郎」。この原作、何度か映画になっているようですが、こちらは長谷川一夫山田五十鈴を主演に、成瀬巳喜男監督という豪華版です。もう1本は「家庭日記」前編。監督(演出)は山本薩夫山本薩夫というと、「白い巨塔」とか「戦場と人間」とか「不毛地帯」とか、社会派のイメージが強いですが、若手の頃は、こうした映画を撮っていたのですね。

 裏表紙は直接、映画とは関係ありませんが、こんな広告...

 昭和13年ですから、日米開戦3年前なんですが、「踊る健康美! サラッと心地よくお肌に溶け込んで豊かな栄養となる完全クリーム」、レートクレームなどという広告がまだOKだった時代だったんですね。世の中の雰囲気って、あっという間に変わってしまうのかもしれません。

 で、DVD化の状況ですが、アマゾンを見る限り、さすがに両作品ともDVDにもビデオにもなっていないようです(松竹が再映画化したものは、VHSで出ていたようですが)。

 で、「鶴八鶴次郎」は、川口松太郎さんの原作は健在でした。