映画チラシ

日米開戦3年前、早稲田全線座では米国映画名画祭。キャグニー、クーパーも出ているよ

はてなブログに引っ越したので、久々の更新です。今回は戦前です。 昭和13年(1938年)7月ですから、日米開戦3年前の早稲田全線座のチラシ。「風薫る7月の名画祭」の表紙は「モナリザの失踪」はドイツ映画ですが、「Gメン」と「海の塊」は米国映画…

今は夫婦のヴァネッサ・レッドグレイヴとフランコ・ネロが共演していた「怪奇な恋の物語」

今はもう消えてしまった映画館「東急レックス」「銀座東急」のチラシです。 現物は2つ折りで、広げると、こんな形になります。1971年(昭和46年)日本公開のイタリア映画「怪奇な恋の物語」。製作年は、allcinemaだと、1969年*1、IMDbでは1968年*2となってい…

フリーセックスの時代の愛−−ジャック・ニコルソン主演、マイク・ニコルス監督の「愛の狩人」

アメリカン・ニューシネマの時代の映画です。 1971年製作、1972年(昭和47年)日本公開の「愛の狩人」。監督は1967年に「卒業」で大ヒットを飛ばしたマイク・ニコルズ。出演者を見ると、トップはキャンディス・バーゲンで、次がジャック・ニコルソン。キャン…

美少女時代の和泉雅子が出ていた浦山桐郎監督の「非行少女」

今回は珍しいチラシです。ビデオカセット(VHS)やDVDが登場する前の時代、個人が映画をコレクションしようとする場合、8ミリか16ミリか、フィルムしかありませんでした。洋画は8ミリも結構ありましたが、邦画の場合はほとんど16ミリだったと思いま…

鶴屋南北の「盟三五大切を映画化した松本俊夫のATG映画「修羅」

ATGの映画のチラシです。 1971年(昭和46年)に公開された松本俊夫監督・脚本の「修羅」。松本俊夫はアヴァンギャルドな作風の監督で、この2年前、「薔薇の葬列」で長編映画デビューしました。「薔薇の葬列」は、ピーターのデビュー作でもあります。 さて…

パティ・デューク主演の青春映画「ナタリーの朝」

退色が激しいですが、日比谷スカラ座のチラシです。 「奇跡の人」でヘレン・ケラーを演じていたパティ・デューク主演の青春映画「ナタリーの朝」。1969年製作、日本公開は1970年(昭和45年)でした。映画の雰囲気から言うと、女性映画をメーンとしていたみゆ…

関口宏のお父様、佐野周二がイケメン・スキーヤー姿の昭和13年・帝劇のプログラム

昭和10年代の映画館は上映作品・次回作品紹介の小冊子を出していました。これを宣伝用のチラシというべきか、映画館のプログラムというべきか、タグをつけるときに、いつも迷ってしまうのですが、今回からプログラムの範疇に入れようかなと思いまして、「プ…

昭和のコメディアン、金語楼が表紙の昭和10年のチラシ。円谷英二が本名の英一を名乗っていた頃

我が家で発掘したもの中で、ひょっとしたら、最も古いものかもしれないチラシです。 三つ折のチラシの表紙部分で、戦前ですから横書きは右から読みます。頭の見出しが「近日公開の金語楼出演第1回オール・トーキー」です。写真の人物は、昭和の人気落語家に…

昭和11年ながら、カラフルな「オペラは踊る」のチラシ

戦前のチラシはだいたいモノクロなのですが、これは珍しくカラフルです。 マルクス兄弟の「オペラは踊る」の2つ折りのチラシなんですが、表紙はマルクス兄弟だけ。ウィキペディアによると、「オペラは踊る」は1935年製作で、日本公開は1936年(昭和11年)。…

「三文オペラ」「モロッコ」の上映を伝える昭和13年の映画館のチラシ

昭和13年(1938年)、新宿にあった映画館のチラシです。 このチラシ、2つ折りですが、表紙では、イラストで「三文オペラ」の上映を伝えています。ブレヒトの「三文オペラ」です。ページを開きますと...

寺山修司脚本・東陽一監督の「サード」のちらしは少年院の日課表付き

既にプログラムを紹介しておりますが*1、寺山修司脚本・東陽一監督の「サード」のちらしです。 銀座にあったATG(日本アート・シアター・ギルド)の上映館「日劇文化」の「近日ロードショー」ちらしです。上のプロフィール、そして下の走っている少年は、永…

昭和13年、東宝の映画館のチラシの表紙は愛らしい原節子

「新宿・大東京」改め「東宝映画劇場」の昭和13年(1938年)の2つ折りのチラシです。 表紙は「永遠の処女」といわれた原節子。1920年(大正9年)生まれの方ですから、このとき、18歳。かわいいです。 そして上映作品は... 2本立てで、1本は川口松太郎原作の…

MGM、昭和11年の新春4大超大作。目玉の一つはグレタ・ガルボ主演の「アンナ・カレニナ」

キーラ・ナイトレイ主演の「アンナ・カレーニナ」がこの春、公開されることになっておりますが、このトルストイの名作、何度も映画化されています。その1本... グレタ・ガルボ主演の「アンナ・カレニナ」。1935年製作、1936年(昭和11年)日本公開の映画の…

メキシコ五輪の記録映画「太陽のオリンピアーーメキシコ1968ーー」

ロンドン・オリンピックも真っ盛り。オリンピックの記録映画というと、ベルリン五輪の「民族の祭典」とか、市川崑監督の「東京オリンピック」が有名だったりしますが、こちらは、たぶん、もう忘れられてしまったオリンピック映画... 1968年のメキシコ・オリ…

昭和13年6月の新宿「太陽座」のちらし。表紙はフランス映画「商船テナシチー」

昭和13年(1938年)6月16日発行の新宿「太陽座」のちらしです。昭和16年12月の日米開戦まで3年半という時期ですが、日本人は「街のフィルム・ライブラリー」で洋画を楽しんでいたようです。その表紙がこちら... ジュリアン・デュヴィヴィエ監督のフランス映…

1972年夏、新宿歌舞伎町・名画座ミラノの小さなチラシ

いまはシネコンになっているようですが、昔、新宿歌舞伎町・ミラノ座のビルの4階にあった映画館「名画座ミラノ」の小さなチラシです。 B6サイズぐらいのチラシが3つ折りになったもので、1972年(昭和47年)8月から9月にかけての上映予定です。表紙はキャプ…

美女カトリーヌ・ドヌーヴと鬼才、ルイス・ブニュエル監督の「哀しみのトリスターナ」

カトリーヌ・ドヌーヴが20代で光り輝いていた頃の映画です。 1970年製作で、1971年(昭和46年)に日本で公開された「哀しみのトリスターナ」。監督はスペインの鬼才、ルイス・ブニュエルです。共演のフランコ・ネロはイタリア人。フランス、イタリア、スペイ…

ATGの時代。岡田茉莉子主演、吉田喜重監督の「煉獄エロイカ」

1960-70年代、日本映画のアートシーンで最も存在感があったのはATGでした。そのATGと現代映画社の提携作品... 吉田喜重監督が夫人の岡田茉莉子主演で作った「煉獄エロイカ」。1970年(昭和45年)の公開で、伝説の映画館「新宿文化」のチラシです。裏は、こん…

1960年代・青春群像劇の代表作。田中邦衛、山本圭、佐藤オリエの「若者たち」(映画版)

ウィキペディアによると、テレビ番組として1966年(昭和41年)に放映され、映画版は1967年(昭和42年)から自主上映方式で公開された、この作品 http://bit.ly/M75dQj">*1... 「若者たち」。2つ折りのチラシの表紙です。半世紀たった21世紀に、1960年代の市…

フランスのベトナム反戦オムニバス記録映画「ベトナムから遠く離れて」

1960-70年代は「政治の時代」で、世界の映画作家たちは積極的に政治的なメッセージを発信していました。そんな時代に、フランスの映画作家たちが共同でベトナム反戦ドキュメンタリーがこちらのちらし... 1967年製作の「ベトナムから遠く離れて」。日本公開は…

金メダリスト俳優、ジョニー・ワイズミュラーの「ターザンの逆襲」

ターザンといえば、今ではディズニーのアニメを思い浮かべるのかもしれませんが、実写版といえば、やはり、この人、ジョニー・ワイズミュラーなんでしょう。で、こんなものが... 昭和12年(1937年)3月に新宿の洋画封切館、武蔵野館が発行した「MUSASHINO NE…

少女マンガの主人公みたいだったレイモンド・ラブロックの「透きとおった夕暮れ」

いまは韓流の若手男優さんたちが女性たちの注目の的ですが、1970年代は、イタリア、フランスなど欧州系のきれいな若手男優が女性たちの間で絶大な人気を誇り、一世を風靡していました。そんなひとりで、イタリア代表ともいえるのが、レイモンド・ラブロック…

1930年代の子役大スターといえば、この人。シャーリー・テンプルの「テンプルの愛国者」

1930年代の世界を代表する子役の大スターといえば、シャーリー・テンプルです http://bit.ly/MF2dJD">*1。芦田愛菜ちゃんの比ではありません。何しろ当時、日本の映画館のちらし(会報)でも、表紙を飾っていたのですから。こんな具合に... 1935年製作、1936…

カンヌ映画祭グランプリを受賞したマルカム・マクドウェル主演「if もしも...」

60年代末から70年代にかけては学園紛争が吹き荒れた時代だが、虚実ないまぜになりながら、エリート層が学ぶパブリックスクールでの反乱を描いた英国映画「if もしも...」も、そうした若者の反抗の映画です。1968年製作で、翌1969年のカンヌ映画祭グランプリ…

フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャースのミュージカル映画「トップハット」

1日遅れですが、昨日5月10日は、ハリウッドの伝説のミュージカルスター、フレッド・アステアの誕生日。ということで、フレッド・アステア主演の「トップハット」のチラシ。2つ折りで、こちらが表紙... 1935年製作。日本公開は1936年(昭和11年)。ちょっとレ…

加藤剛、栗原小巻主演、熊井啓監督の「忍ぶ川」

日活で社会派映画を撮ってきた熊井啓監督が東宝で作った恋愛文芸映画。加藤剛、栗原小巻主演で、1972年(昭和47年)の作品。まずは2つ折りのチラシの表紙部分。 がちがちの恋愛映画っぽい作りです。で、この映画、チラシはカラーでも、撮影はモノクロ(白黒…

オードリー・ヘップバーン、グレゴリー・ペックの名作「ローマの休日」

今日、WOWOWでも放映していたオードリー・ヘップバーンのデビュー作にして、ロマティック・コメディの古典。主演はグレゴリー・ペックで、監督はウィリアム・ワイラーで、ローマ現地ロケというハリウッド黄金期の映画。1953年製作で、日本公開は1954年(昭和…

ケン・ラッセル監督の「恋人たちの曲 悲愴」

昨年他界した異才、ケン・ラッセル監督は音楽伝記映画を得意としていました。そんな1本... リチャード・チェンバレン、グレンダ・ジャクソン主演の「恋人たちの曲」。チャイコフスキーの伝記映画。なぜか、ウィキペディアの「ケン・ラッセル」の項目にも載っ…

新宿・蠍座の「ATG洋画・回顧上映」

新宿文化や日劇文化などのアート・シアター・ギルド(ATG)系の映画館では、ATG製作・配給の日本映画だけではなく、海外のアート系作品が上映されていました。いまのミニシアターの元祖ですね。というわけで、新宿文化の地下にあったアンダーグラウンド蠍座…

英国オールスター戦争映画「空軍大戦略」

1960年代の映画の世界は、フランスのヌーベルバーグやら、英国の怒れる若者たちのフリー・シネマやら、米国のアメリカン・ニューシネマやら新しい潮流が生まれてくる一方で、テレビに対抗してか大型戦争映画がつくられた時代でもありました。特に「史上最大…