日米開戦3年前、早稲田全線座では米国映画名画祭。キャグニー、クーパーも出ているよ
はてなブログに引っ越したので、久々の更新です。今回は戦前です。
昭和13年(1938年)7月ですから、日米開戦3年前の早稲田全線座のチラシ。「風薫る7月の名画祭」の表紙は「モナリザの失踪」はドイツ映画ですが、「Gメン」と「海の塊」は米国映画。写真を見ても、「Gメン」はジェームズ・キャグニー、「海の塊」はゲーリー・クーパーという当時のハリウッドの大スターの映画です。
開戦まで3年というときでも、日本人は米国が好きだったのですね。それは、この名画祭のラインナップを見ると、一目瞭然です。
イタリア映画やルネ・クレールのフランス映画「最後の億万長者」、レニ・リーフェンシュタールのドイツ映画「輝く肉体美」などもありますが、中心は米国映画です。ゲーリー・クーパー主演の「平原児」といった西部劇もありますし、「Gメン」「犯罪王」といったギャング映画もあります。
年表で見ると、昭和13年は5月に国家総動員法が施行されたわけですが、映画館では、ハリウッドのエンターテインメントを楽しむ人たちがいたんですね。映画館もお客さんが来るから、そうした映画を提供していたわけです。
で、6月30日から7月13日までは洋画の名作を上映していたわけですが、14日からは...
エノケンだったんですねえ。やはり洋画ばかりでは、まずかったんでしょうか。で、この当時のチラシは裏が広告というの普通で、そちらは...
日焼け止めの広告です。国家総動員法が出ても、女性はお肌が気になるものです。リゾート風のちょっとぜいたくな感じが漂うイラストですが、まだ許容されていたようです。わずか3年ちょっとで、世の中の空気は変わってしまうんですね。こわい、こわい...。
この名画祭の映画が今でもDVDで見ることができるのかな、というと...
表紙で紹介されていた3作、「モナリザの失踪」 はありませんでしたが、さすがキャグニー
ゲイリー・クーパーの「海の塊」は見つかりませんでしたが、セシル・B・で見る作品の「平原児」は有名な作品なので...
このほか、名画祭の映画では、ルネ・クレールは名匠なので
エリノア・パウエルのミュージカルの名作として知られる、こちらも...
この当時の映画、意外と今でも見ることができるのですね。
レニ・リーフェンシュタールの作品は今でもDVDで見ることができるものが多いですが、「輝く肉体美」はわかりませんでした。レニ・リーフェンシュタールは彼女自体が映画のテーマかも知れません。