加藤剛、栗原小巻主演、熊井啓監督の「忍ぶ川」

 日活で社会派映画を撮ってきた熊井啓監督が東宝で作った恋愛文芸映画。加藤剛栗原小巻主演で、1972年(昭和47年)の作品。まずは2つ折りのチラシの表紙部分。

 がちがちの恋愛映画っぽい作りです。で、この映画、チラシはカラーでも、撮影はモノクロ(白黒)でした。70年代はカラーが当たり前の時代ですから、モノクロ・スタンダードで撮影というだけで、こだわりの映画と言えたのかもしれません。で、開くと、見開きで、スタッフ、キャストと内容紹介。

 東宝俳優座提携作品とあって、出演者は手堅い布陣です。加藤剛さんは、1970年代に「影の車」とか「砂の器」とか野村芳太郎監督・橋下忍脚本の名作に出ています。栗原小巻さんは「コマキスト」と呼ばれるファンを持った女優さんでした。で、裏表紙をこんな具合。

 昭和のエロスであります。ただ、70年安保の後、全共闘全盛期から内ゲバの時代になる頃、作られた映画としては古風な感じもします。

 熊井啓監督の作品であり、「東宝創立40周年記念作品」と銘打たれているだけあって、DVDになっています。

忍ぶ川 [DVD]

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 原作はこちらになります。
忍ぶ川 (新潮文庫)

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