三船敏郎、中村錦之助、石原裕次郎の大型戦国時代映画「風林火山」

　テレビの隆盛に対抗して、映画は豪華キャストとスケールでテレビを圧倒しようとした時代がありました。そんな時代の一作です。

　威風堂々の戦国武将を演じる三船敏郎。1969年公開の「風林火山」のプログラムの表紙です。昔の映画俳優には貫禄がありました。ただ、それでも、この時代になると、もはや大スター一枚看板ではインパクトに乏しかったようで、こんな豪華布陣になります。

　三船敏郎と並んで、中村錦之助（萬屋錦之介）に石原裕次郎。そして、美人女優の佐久間良子。4枚看板です。どうだ、見たか。テレビじゃ、こんなに揃わないぞ、という気合のキャスティングです。で、他の配役を見ましても...

　田村正和、緒形拳、それに先代の中村勘九郎（現・中村勘三郎）が武田勝頼を演じたりしており、当時、新進気鋭の若手も入れつつ、さらに、志村喬、月形龍之介、中村翫右衛門と重厚な顔ぶれで、脇を固め、念には念を入れています。

　風林火山ですから、武田信玄対上杉謙信、当然、見せ場は川中島となります。

　右下の写真の太めのお坊ちゃん武者が、若き日の先代・勘九郎でありましょうか。イメージとして、このふくよかな感じ、北朝鮮の金正恩をちょっと連想させたりもします。

　「風林火山」をアマゾンで検索すると、NHKの大河ドラマのほうが引っ掛かったりもしますが、この往年のオールスター映画のほうもしっかりとDVDになっています。

　で、井上靖の原作はこちらです。