MGM、昭和11年の新春4大超大作。目玉の一つはグレタ・ガルボ主演の「アンナ・カレニナ」

 キーラ・ナイトレイ主演の「アンナ・カレーニナ」がこの春、公開されることになっておりますが、このトルストイの名作、何度も映画化されています。その1本...

 グレタ・ガルボ主演の「アンナ・カレニナ」。1935年製作、1936年(昭和11年)日本公開の映画のチラシです。昔の映画なので、「カレーニナ」ではなくて、「カレニナ」です。

 キーラ・ナイトレイ版では、ジュード・ロウが共演ですが、この映画では、フレドリック・マーチです。ウィキペディアを見ますと*1グレタ・ガルボは、1927年にサイレント映画でも、アンナ・カレーニナを演じています。また、ヴィヴィアン・リーソフィー・マルソー版もありますから、この役は美人女優が演じてみたいものの一つのようです。

 で、この昭和11年ものと見られるチラシ、実は「アンナ・カレニナ」は裏表紙で、表紙はこちらです。

 「メトロ新春の4大超大作」のチラシでした。メトロは、左端にもあるように「メトロ・ゴールドウィン・メイヤー」、ライオンが吠えて始まるMGMです。

 新春映画の第1バッターは、クラーク・ゲーブルと当時のセクシー女優、ジーン・ハーロウが共演した「支那海」(China Seas)。こちらも1935年製作、36年(昭和11年)の公開です。

 2つ折りのチラシで、この表紙を開きますと...

 まずは初笑いで、ローレル、ハーディの「極楽槍騎兵」(Bonnie Scotland)。

 そして、もう1本、こちらはスチル写真が入っていませんが、クラーク・ゲーブルチャールズ・ロートン主演の「バウンティ号の叛乱」。こちらも名作と知られ、1935年の製作。だいたい、米国公開から1年遅れで、日本にやってきたのですね。この「バウンティ号の叛乱」も何度も映画化されていて、1962年に製作されたマーロン・ブランド主演の「戦艦バウンティ」も有名です。ちなみに、1935年版は(このチラシでは「バウンテイ号の叛乱」で、ウィキペディアでは「戦艦バウンティ号の叛乱となっていますが)、アカデミー作品賞をとっています。

 確かに、MGMが「新春の4大超大作」と自負するように、強力なラインナップです。

 最後にDVDで今も見ることができるかどうか、見てみますと...

 さすがグレタ・ガルボ。「アンナ・カレニナ」はありました。

アンナ・カレニナ FRT-087 [DVD]

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 原作はトルストイですから、当然、今も読まれ、訳も何種類か出ています。
アンナ・カレーニナ〈上〉 (新潮文庫)

アンナ・カレーニナ〈上〉 (新潮文庫)

アンナ・カレーニナ〈1〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈1〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈上〉 (岩波文庫)

アンナ・カレーニナ〈上〉 (岩波文庫)

 一方、クラーク・ゲーブルの「支那海」はかつてVHSで出ていたようですが、DVDはないようです。
支那海【字幕版】 [VHS]

支那海【字幕版】 [VHS]

 ローレル、ハーディはコメディ映画の伝説的なコンビですが、さすがに「極楽槍騎兵」は見当たりませんでした。ただ、米国ではVHSが出ていたようです。
Bonnie Scotland [VHS] [Import]

Bonnie Scotland [VHS] [Import]

 そして、「バウンティ号の叛乱」
戦艦バウンティン号の叛乱 [DVD]

戦艦バウンティン号の叛乱 [DVD]

 クラーク・ゲーブルが名優チャールズ・ロートンと共演した、アカデミー作品賞受賞作とあって、こちらもありました。

 どれもMGMが一押ししていた映画だけあって、昭和10年代の映画が平成25年の新春になっても、見ることができるようです。