ケン・ラッセル監督の「恋人たちの曲 悲愴」

 昨年他界した異才、ケン・ラッセル監督は音楽伝記映画を得意としていました。そんな1本...

 リチャード・チェンバレン、グレンダ・ジャクソン主演の「恋人たちの曲」。チャイコフスキーの伝記映画。なぜか、ウィキペディアの「ケン・ラッセル」の項目にも載っていない監督作品。IMDbを見ると、1970年(昭和45年)製作とあるから、「恋する女たち」(1969年)の翌年の映画。グレンダ・ジャクソンは「恋する女たち」の主演でブレークした人。ラッセルは2作連続でヒロインに起用したのだな。
 で、裏面の作品紹介は、こんな感じ。

 音楽を担当したのは、アンドレ・プレビンだから、本格的だなあ。ただ、ケン・ラッセルの映画から、きれい、きれいな映画になるわけもなく、「チャイコフスキーを中心した人間関係」の図を見れば、わかるように、チャイコフスキーとアントン・シロフスキー伯爵が「異常な関係」と説明されていたり、ドロドロとした異性・同性関係の物語が展開されていく感じ。

 で、この映画、VHSにはなっているけど、DVDにはなっていない様子。ウィキペディアの「主な監督作品」から抜けてしまうわけだなあ。まあ、美辞麗句の伝記映画を作らないところが1970年代前後のムードを反映しているわけだけど、いまの時代の風潮には合わないかな。

恋人たちの曲 悲愴 [VHS]

恋人たちの曲 悲愴 [VHS]