英国オールスター戦争映画「空軍大戦略」

 1960年代の映画の世界は、フランスのヌーベルバーグやら、英国の怒れる若者たちのフリー・シネマやら、米国のアメリカン・ニューシネマやら新しい潮流が生まれてくる一方で、テレビに対抗してか大型戦争映画がつくられた時代でもありました。特に「史上最大の作戦」(1962年)が大ヒットしてからは、各国のスターが共演したオールスター顔見せ型の大型戦争映画が続出しました。で、1969年(昭和44年)に公開された、この映画も、そんな一本。

 「空軍大戦略」。原題は「BATTLE OF BRITAIN」で、英国本土侵攻をめざすドイツ軍と、本土防衛に奮闘する英空軍との戦いのドラマ。第二次世界大戦の命運を左右した空戦の話です。このチラシ、吹流しのように横に長い珍しい形をしていて、裏はこんな感じ...

 監督は007シリーズなどアクション映画が得意だったガイ・ハミルトン。出演陣は、ローレンス・オリヴィエ、トレバー・ハワード、ラルフ・リチャードソン、クルト・ユルゲンスなど英国・ドイツの大御所が揃っております。どんな映画にも顔を出すマイケル・ケインもいます。クリストファー・プラマーやロバート・ショーといった役者さんの名前も見えます。オールスター映画だったわけです。

 この手の映画、今だったら、CGで戦闘シーンをつくるんでしょうけど、当時は昔のプロペラ戦闘機を集めて大掛かりに飛ばしたわけで、その意味で貴重な映画ですから、しっかりとブルーレイにもなっています。戦闘機フリークの人たちにはたまらないんでしょう、きっと。