フランスのベトナム反戦オムニバス記録映画「ベトナムから遠く離れて」

 1960-70年代は「政治の時代」で、世界の映画作家たちは積極的に政治的なメッセージを発信していました。そんな時代に、フランスの映画作家たちが共同でベトナム反戦ドキュメンタリーがこちらのちらし...

 1967年製作の「ベトナムから遠く離れて」。日本公開は1968年(昭和43年)ですが、このチラシ「KANKO BUNKA NEWS」はJR東京駅・八重洲口にあった名画座、観光文化ホールで1971年(昭和46年)に上映された時のものです。八重洲口の東京駅前は再開発され、いまはもうありませんが、趣味の良いラインナップをつくる映画館でした。

 この頃の名画座のチラシ、気合を入れて作品紹介をしています(この手のものは、チラシというより上映作品や次回上映作を紹介する会報といったほうがいいんでしょうか)。

 ここにあるようにプロローグ、エピローグと11章からなるオムニバス形式の映画ですが、監督はアラン・レネウィリアム・クラインヨリス・イヴェンス、アニエス・ヴァルダ、クロード・ルルーシュジャン=リュック・ゴダールといった当時バリバリの豪華な顔ぶれです。ルルーシュゴダールが一緒に参加し、そこにレネ、ヴァルダまで共闘してしまうところが、この時代の雰囲気を物語っているのでしょう。

 時代とともに生きる映画なので、さすがにDVDはないだろうと思ったら、意外なことに日本でも販売されていたことがあるようです(アマゾンでは中古品販売だったので、今は絶版かもしれません)。団塊世代のノスタルジーでしょうか。

ベトナムから遠く離れて [DVD]

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 で、この映画とは関係ないのですが、ゴダールルルーシュの名前を見て思い出したのは、この2作...

男と女 特別版 [DVD]

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 まるで接点のない対極にいるようなイメージの2人の監督ですが、映画のテーマは結局のところ、男と女に尽きるのかもしれません。