1930年代の子役大スターといえば、この人。シャーリー・テンプルの「テンプルの愛国者」

 1930年代の世界を代表する子役の大スターといえば、シャーリー・テンプルです*1芦田愛菜ちゃんの比ではありません。何しろ当時、日本の映画館のちらし(会報)でも、表紙を飾っていたのですから。こんな具合に...

 1935年製作、1936年(昭和11年)日本公開の「テンプルの愛国者」。昭和館が出していた「SHOWAKAN NEWS」(昭和11年4月23日発行)の表紙で、「次週上映」となっています。内容紹介は、こんな具合...

 まあ、愛国的な父親孝行娘を主人公にした修身・道徳教育的な昭和の日本人好みの物語ではありますが、日米開戦5年前に「テンプルの愛国者」が上映されていたんですねえ。日本はこの当時も米国カルチャー大好きだったんでしょう。でも、その一方で、どこか米国は日本人にとって愛憎半ばする存在だったのでしょうねえ。何かきっかけがあると、可愛さ余って憎さ百倍になってしまうんですね、きっと。実際、昭和16年には、憎さ百番で真珠湾に突入していったわけです。

 シャーリー・テンプルは実際にも「愛国者」で後年、外交官・政治家になります。また、子供服ブランドのシャーリー・テンプル*2は、この愛らしい子役の名前から来たものです。

 ちなみに、この週、昭和館で上映されていたのは、こんな作品でした(目次と作品紹介ページを並べました)...。

 そして裏表紙で近日公開とされていた作品は...

 マルクス・ブラザースも人気があったんですねえ。いつ見ても、イラストが怖いですけど。

 で、ちょっとびっくりしてしまうのは、さすがに「テンプルの愛国者」のDVDは、米国では販売されていても、日本ではないだろうと思ったら、出ていたことでした。今でも好きな人がいるのかどうか。かつてのファンは、かなりの高齢のはずですけど。

テンプルの愛国者 [スタジオ・クラシック・シリーズ] [DVD]

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