金メダリスト俳優、ジョニー・ワイズミュラーの「ターザンの逆襲」

 ターザンといえば、今ではディズニーのアニメを思い浮かべるのかもしれませんが、実写版といえば、やはり、この人、ジョニー・ワイズミュラーなんでしょう。で、こんなものが...

 昭和12年(1937年)3月に新宿の洋画封切館、武蔵野館が発行した「MUSASHINO NEWS」。その表紙は「ターザンの逆襲」でした。すっくと立ったターザンがジョニー・ワイズミュラー。寄り添うジェーンは、モーリン・オサリヴァンです。

 ウィキペディアによると、ジョニー・ワイズミュラー自由形の水泳選手で、1924年のパリ五輪、28年のアムステルダム五輪のゴールド・メダリスト*1。肉体美の美男子ということでハリウッドに転身、1932年に出た「類人猿ターザン」が大ヒットし、1934年に「ターザンの復讐」、そして1936年に製作されたのが、この「ターザンの逆襲」でした。日本公開は翌年だったわけですね。ともあれ、世界的な大ヒット・シリーズでした。その作品紹介は、こんな感じです。

 「あ〜あぁ〜」と、ターザンが叫んでいます。象にもまたがっています。レトロ感満載です。で、「次週上映」という言葉があるように、戦前の映画館のチラシ*2、表紙は次週予告というの定番です。いま上映している映画を見に来ているお客さんに無料で配るのだから、考えてみると、次の作品の宣伝に重点を置いた誌面にするのは、ビジネスとして合理的ともいえます。

 というわけで、このときに上映されていたのは、こんな作品です。

 なぜか「名曲レコード演奏」があった後、「朝日ニュース」「パラマウント・スクリーン・レビュウ」があり、「ジプシィ男爵」と「女だけの都」の2本立てです。この頃は、洋画封切館でも2本立てだったのですね。「女だけの都」は、フランソワーズ・ロゼー主演、ジャック・フェデー監督のフランス映画の古典で、映画史の勉強などをしていると、名前が出てきます。

 で、裏表紙はこちら...

 シャーリー・テンプルの「テムプルちゃんのえくぼ」。1930年代に、シャーリー・テンプルはグローバルに超絶人気の子役だったんですねえ。

 で、「ターザンの逆襲」、米国冒険映画・ジャングル映画のクラシックであり、大人気「ターザン」シリーズの一作ということで、ジョニー・ワイズミュラーの「ターザン」シリーズのDVDボックスには収録されていますが、単独のDVDとしては出てないようでした。

ジョニー・ワイズミュラー ターザン・フィルムズ コレクターズ・ボックス 〈4枚組〉 [DVD]

ジョニー・ワイズミュラー ターザン・フィルムズ コレクターズ・ボックス 〈4枚組〉 [DVD]

 「ターザンの逆襲」(Tarzan Escapes)単体としては、輸入版のVHSがありました。
Tarzan Escapes [VHS] [Import]

Tarzan Escapes [VHS] [Import]

 また、第1作の「類猿人ターザン」は日本でも単体でDVDになっているようです。
類猿人ターザン [DVD]

類猿人ターザン [DVD]

*1:ジョニー・ワイズミュラー - ウィキペディア => http://bit.ly/MWKfoC

*2:プログラムとか、会報といったほうがいいのかもしれない。「映画チラシ」としてタグ付けしたのだが、最近、「プログラム」にしたほうがいいのかどうか、迷っている