ホンダの第1期F1参戦をモデルにしたレース映画の代表作「グラン・プリ」

 ホンダがF1への復帰を決めましたが、1960年代、ホンダが最初にF1に参戦した当時をモデルにした映画です。

 1966年製作、日本では1967年(昭和42年)に公開された「グラン・プリ」です。実際のサーキットでロケした臨場感たっぷりのF1レース映画でした。ただ、このプログラムは、その5年後、1972年(昭和47年)にシネラマの上映館、テアトル東京でリバイバル公開されたときのものです。この映画、レーサーたちの苦闘と再生の物語であると同時に、ホンダをモデルにした「矢村」という日本チームがF1で勝利するまでのチャレンジの物語でもありました。

 ページを開きますと、スタッフとキャストの紹介です。

 左ページの写真に登場する堂々たる紳士は「世界のミフネ」、三船敏郎です。本田宗一郎をモデルにしたと思しき矢村を演じていました。そのF1初参戦の日本車チームに協力するF1ドライバーを演じているのは、ジェームズ・ガーナー。現実には、ジョン・サーティースという人がホンダのエンジンを積んだF1カーで1勝をあげるのですが、この役、かなりドラマチックに脚色されているので、ガーナーのキャラクターについてはどこまで実話にベースを置いているのかはわかりません。

 続いて物語の紹介とスティル写真集。

 この映画が作られた1960年代当時のF1カーは今とはかなりスタイリングが違います。

 ここから出演者紹介...

 国際オールスター映画だったのですが、トップに紹介されるのはフランスの大歌手にして俳優のイブ・モンタン。渋い名優です。ネタバレになってしまいますが、モンタン演じるドライバーはレース中、事故死してしまうのですが、その舞台がイタリアのモンツァでした。そう、後年、アイルトン・セナが事故死したコースです。高速コースなので、大事故が起きやすいところというのかもしれませんが、時にフィクションが現実を予見してしまうような不思議さがあります。

 続きまして...

 三船敏郎ジェームズ・ガーナーです。三船敏郎の役、今だったら、渡辺謙が演じるんでしょうか。ガーナーの役は...。誰だろう。ともあれ、三船敏郎を見ておりますと、この頃はまだ日本人はサムライだったなあ、という感じもします。

 さらに続きます。

 左の女性、イブ・モンタンと大人の恋に落ちるヒロインが「北北西に進路を取れ」や「波止場」に出てくるエヴァ・マリー・セイントです。そして、左のイケメン。これが誰かというと、俳優ではなくて、監督のジョン・フランケンハイマーです。名だたる俳優たちと同じ大きさの写真にしてしまいたくなるくらいの好男子で、なおかつ当時は若手映画作家の星みたいな人でした。

 このプログラム、編集にも力が入っていまして、F1の主要コースの紹介などというページもあります。

 このほかにも資料満載です。

 最後に裏表紙。

 疾走するF1です。まあ、見ていると、マニュアル車に乗って、高速エンジン音聞いてみたくなるみたいな映画でした。この頃の日本メーカー、チャレンジャーであり、パイオニアであり、そのあたりが映画のモデルとしても良かったんですねえ。

 で、レース映画の代表作ですから、これはもう当然、ブルーレイでも出ています。

グラン・プリ [Blu-ray]

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