三船敏郎、リー・マーヴィンの二人芝居という異色の戦争映画「太平洋の孤独」

 日本が生んだ国際スター、三船敏郎はハリウッド映画に積極的に出ていました。そんな一作です。

 三船敏郎リー・マーヴィン主演、ジョン・ブアマン監督の「太平洋の地獄」。1968年(昭和43年)の作品です。太平洋戦争下、太平洋の孤島にたどり着いた米兵と日本兵の対立と協力の物語。出演者は二人だけという異色作です。プログラムも凝っていて、表紙を開くと...

 右側の黒字のページは、顔か写真のところがくり抜きになっていて、さらに1ページめくると...

 前のページでは、円形の中に三船敏郎、次のページの右側では円内にリー・マーヴィンの顔がクローズアップされる仕組みです。アクションも演技もできる日米両雄対決の映画です。

 監督のジョン・ブアマンは、この前年、「殺しの分け前/ポイント・ブランク」でリー・マーヴィンのハードボイルドな魅力を全開させていていました。また、「未来惑星ザルドス」とか「エクスカリバー」とか、迫力ある斬新な映像を創る人で、この時代を代表する二人の男優から、こんな映像をつくっていました。

 造形的にこだわりもある感じで、映像から作り手の気迫が伝わってきます。で、裏表紙は...

 対立から、力を合わせての船出。日米の戦後史のようです。

 この映画、DVDにはなっているようですが、ブルー・レイはまだないようです。ジョン・ブアマンの映画は、ちょっとアートが入っている感じもして、その分、いま一つ受けが悪いんでしょうか。

太平洋の地獄 [DVD]

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