シドニー・ポワチエとジョアンナ・シムカスが出会った「失われた男」。プログラムには意味深な話も

 既に一度、映画のチラシを紹介しましたが*1、プログラムが発掘されましたので、改めまして...

 1969年(昭和44年)公開の「失われた男」。ニュー東宝のプログラムの表紙です。黒人男性は米国の名優、シドニー・ポワチエ、寄り添う女性はカナダ生まれで、フランス映画「冒険者たち」で大ブレークしたジョアンナ・シムカスです。この映画の出会いをきっかけに二人はのちに結婚します。

 キャスト・スタッフの紹介ページです。

 右ページの解説にあるように、キャロル・リード監督の英国映画「邪魔者は殺せ」の再映画化です。原作では、主人公はIRAアイルランド共和国軍)を思わせるアイルランド独立派の活動家でしたが、こちらでは1960-70年代の米国を象徴するように黒人活動家です。シドニー・ポワチエの演じる黒人は、白人好みの黒人(「アンクル・トム」)というイメージがありましたが、この映画では、時代もあって突っ張ってみせたところもあるのかもしれません。

 しかし、この映画、中身よりも、ポワチエ、シムカス出会いの映画というところで歴史に残っている映画といってもいいかもしれません。で、このプログラムのシムカス紹介ページを見ていると、面白い記述がありました。

冒険者たち [Blu-ray] 字が読みにくいかもしれないので、転記しますと、「彼女は未婚だが、すでに意中の人があるそうで、2、3年後には結婚する意志のあることを表明している」。その相手が、この映画のポワチエだとは、まだわからなかったのでしょうねえ。ジョアンナ・シムカスポワチエは16歳差。「冒険者たち」の中で、シムカスはアラン・ドロンではなく、年上のリノ・ヴァンチュラと一緒になることを望んでいたという設定でしたが、現実にも父親タイプと結婚してしまいました。

 最後に裏表紙。

 どこかブラック・パンサー風なスタイルで、アンディ・ウォーホル風のポップアートの雰囲気もあり、1960-70年代といった感じです。

 この映画、日本語版ではDVDもVHSもない様子ですが、輸入盤(原題:The Lost Man)のVHSはありました。

The Lost Man [VHS] [Import]

The Lost Man [VHS] [Import]

*1:シドニー・ポワチエジョアンナ・シムカスの「失われた男」 - 昭和の映画のチラシとエトセトラ => http://bit.ly/LxGRP5