アメリカン・ニューシネマの小品、バート・ランカスター主演の「泳ぐ人」

 1960年代の後半から始まったアメリカン・ニューシネマの小品です。

 1969年(昭和44年)公開の「泳ぐ人」。原題が「Swimmer」。ある日曜日の昼下がり、一人の男が自分の家まで帰り道にあるプールを一つひとつ泳ぎながら帰ろうと思いつき...という映画です。それぞれのプールでのエピソード、そして最後に待っている自宅で待っているものは...というアイデア一発勝負のようなストーリーですが、米国の短編小説の味わいのある面白い映画でした。その泳ぐ人が、このプログラムの表紙の男性、バート・ランカスターです。

 スタッフ、キャストは...

 キャストで有名なのはバート・ランカスターと、最後のキム・ハンターぐらいでしょうか。バート・ランカスター、大スターなのに、話が面白ければ、こうした小品にも出るところが好感を持てます。さらに詳しい紹介...

 監督のフランク・ペリーはニューヨーク派なんですね。で、allcinemaやIMDbによると、この映画、クレジットはされていないのですが、シドニー・ポラックとの共同監督ということです*1。1969年というと、シドニー・ポラックジェーン・フォンダ主演の「ひとりぼっちの青春」やバート・ランカスター主演の「大反撃」が撮っている頃ですね。

 さて、このプログラムには、最後のページに映画評論家の品田雄吉の「あのスター・このスター」というコラムがあります。17回目の、この回は...

 ロマン・ポランスキー監督の夫人だったシャロン・テート惨殺事件の話題から始まっています。この映画の公開が1969年9月。シャロン・テート事件が同じ年の8月。衝撃冷めやらぬ頃のコラムだっったのですね。

 裏表紙は...

 ちょっと汚れてしまっていますが、センスのあるデザインです。

 この映画、アメリカン・ニューシネマの代表作のひとつでもあり、しっかりとDVDになっています。

 原作は、ジョン・チーヴァー(チーバー)の短編で、邦訳されているのかもしれませんが、どの短篇集に入っているのかはわかりませんでした。原著は、こちらの短篇集に入っています。

Collected Stories

Collected Stories

 表紙が思いっきり「泳ぐ人」です。

 監督のフランク・ペリーは「去年の夏」という青春映画が代表作かと思ったのですが、こちらはDVDになっていないようです。で、共同監督のシドニー・ポラックの1969年の作品というと...

ひとりぼっちの青春 [DVD]

ひとりぼっちの青春 [DVD]

 「ひとりぼっちの青春」。原題の「They Shoot Horses, Don't They?」のほうが映画の内容をよく表現しています。もう1本の映画も。
大反撃 [DVD]

大反撃 [DVD]

 「大反撃」。アイパッチの軍人がバート・ランカスターです。こちらの映画も原題の「Castle Keep」のほうが内容に近いようです。

 最後におまけで、ロマン・ポランスキーシャロン・テートが出会ったのは、この映画でした。

ロマン・ポランスキーの吸血鬼 [DVD]

ロマン・ポランスキーの吸血鬼 [DVD]