バーブラ・ストライサンド、ライアン・オニールのドタバタ喜劇「おかしなおかしな大追跡」

 ノスタルジーというか、オマージュというか、米国では時々、先祖帰りの映画が登場します。これもその1本。

 1972年(昭和47年)製作、公開の「おかしなおかしな大追跡」。当時乗りに乗っていたバーブラ・ストライサンドライアン・オニールという旬のスターを主演に、昔懐かしいスラップスティック・コメディの映画を1970年代に蘇らせようとしたものでした。ドタバタ喜劇の復活です。監督は、この人...

バッグス・バニー [DVD] 赤い河 オリジナル・バージョン [DVD] 当時、新進気鋭の若手監督、ピーター・ボクダノビッチ(ボクダノヴィッチ)。前年1971年に発表した情感あふれるモノクロ映画「ラスト・ショー」で一躍、脚光を浴び、注目の次作が、ドタバタ喜劇だったわけですから、見事に肩透かしを食わせたわけです。ボクダノビッチは映画評論家の出身ですから、米国のスラップスティック・コメディや究極のドタバタであるカートゥーン・アニメに対するノスタルジーもあったのかもしれません。「ラスト・ショー」は西部劇映画に対するノスタルジーと、オマージュの映画とも言えますから。で、「ラスト・ショー」が「赤い河」であるなら、こちらはバックス・バニーだったのかもしれません。ストライサンドのキャラクターはバックス・バニーに通じるものあります。

 で、主演の2人の紹介です。

 バーブラ・ストライサンドはブロードウェイの大人気ミュージカル女優からハリウッドに進出して成功。ライアン・オニールは、1970年の「ある愛の詩」の大ヒットでスターとなっていました。この映画でも、左ページにあるように「ある愛の詩」の名セリフをもじったパロディが出てきます。遊んで作っているという感じの映画でした。

 スタッフ・キャストの紹介ページは、こんな具合...

 脚本のバック・ヘンリーは「卒業」、デビッド・ニューマン、ロバート・ベントンは「俺たちに明日はない」のシナリオライターですから、ドタバタ・コメディですが、アメリカン・ニューシネマを代表する映画の作家たちが参加していたわけです。

 最後に裏表紙。

 バーブラ・ストライサンドを囲んで、ライアン・オニールという構図です。

 2大スター共演の映画なので当然、DVDになっています。

おかしなおかしな大追跡 特別版 [DVD]

おかしなおかしな大追跡 特別版 [DVD]

 おまけDVD情報として、初期のバーブラ・ストライサンドといえば、まずは、この映画でしょう。 そしてライアン・オニールといえば、何と言っても、この映画でした。
ある愛の詩 [DVD]

ある愛の詩 [DVD]

 オニールは、この映画のイメージを打ち破りたかったのでしょう。さらに、おまけで、この映画の翌年、オニールとボクダノビッチは再度、タッグを組んで、こんな名作を送り出します。
ペーパー・ムーン [DVD]

ペーパー・ムーン [DVD]

 オニールはボクダノビッチとの相性が良かったのかもしれません。