ドタバタ自動車レース・コメディの古典。トニー・カーティス、ジャック・レモン、ナタリー・ウッドの「グレートレース」
映画初期のスラップスティック・コメディの面白さを1960年代に復活させた映画がこちら...
1965年(昭和40年)公開、ブレイク・エドワーズ監督の「グレートレース」。そのプログラムの表紙ですが、保存状態が悪かったので、ちょっと汚れています。
映画は20世紀初頭、善玉のトニー・カーティスの冒険家と悪玉のジャック・レモンの悪い博士が、どちらが優秀かを競って、ニューヨークからパリまで自動車レースを展開するという内容。取材のために参加するフェミニストの記者がナタリー・ウッドでした。博士の助手役はその後、「刑事コロンボ」で日本でも大ブレークするピーター・フォークです。1960年代には、「素晴らしきヒコーキ野郎」とか、「モンテカルロ・ラリー」とか、マシン・レースをテーマにしたコメディが流行りました。科学に対する信仰がまだあったのでしょう。
時代の設定が、機械文明の黎明期ということで、ひとつの売りは珍発明でした。プログラムにも、その紹介ページがあります。
1962年にスタートした「007」シリーズもあり、60年代は、新たに発明・開発された秘密兵器も映画の売りでした。この手の秘密兵器は、シリアスにも、コメディにもなります。
この映画のもう一つの売りが、パイ投げ合戦ギャグを大規模に展開したことでした。今に至るも、最も大規模なパイ投げなんじゃないかと思います。その紹介ページがこちら...
パイの攻撃の的としては、主演女優のナタリー・ウッドも例外ではありません。
音楽は、ヘンリー・マンシーニ。ブレイク・エドワーズ監督とは名コンビで、「ムーン・リヴァー」(「ティファニーで朝食を」の主題歌)、「酒と薔薇の日々」、「ピンク・パンサー」(シリーズ第1作のタイトルは「ピンクの豹」)と数々の名曲を生み出しました。この映画でナタリー・ウッドが歌う劇中歌「スイートハート・ツリー」(The Sweetheart Tree)もマンシーニらしい美しい曲です。
最後に裏表紙...
ご覧のように、善玉のトニー・カーティスの衣装は白、悪役のジャック・レモンは黒、そしてヒロインのナタリー・ウッドはピンク。これ以上ない、わかりやすいカラー・コーディネーションでした。
ハリウッドのコメディ映画のクラシックですが、これほどの規模でドタバタ映画をつくることは今はもうないでしょう。こちらはDVDで見ることができます。
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・The Sweetheart Tree - The Great Race - Soundtrack