マーク・レスター、トレイシー・ハイドの「小さな恋のメロディ」

 本国・英国はもちろん、世界のどこよりも日本で大ヒットした映画(というか、英国でも米国でもそれほど受けず、日本で大化けした映画)。1971年(昭和46年)製作・公開の「小さな恋のメロディ」。そのプログラムの表紙...

 映画館は有楽町にあったニュー東宝です。昔のプログラムには多いのですが、イラストの表紙です。男の子がマーク・レスターで、女の子がトレイシー・ハイド。ふたりとも大変な人気でした。で、キャストの紹介...

 レスター、ハイドの上に位置するのが、ジャック・ワイルド。ワイルドとレスターはミュージカル映画の「オリバー!」でも共演した当時の子役の王様で、いまの日本で言えば、清史郎くんと福ちゃんがダブル主演したようなものでしょうか。ふたりのエリート子役に対して、トレイシー・ハイドはオーディションから選ばれた素人のかわいい子でしたが、その愛らしさから日本では超人気者になりました。ともあれ、この映画の売りは、バックに流れるビー・ジーズの音楽と子役連のかわいさでした。ですから、プログラムもカラー写真も入れてダメを押します。

 この頃の中学・高校生のデートの定番みたいな映画でした。ただ、内容としては、上のページに「ダニー、結婚式はいつだい」とあるように、子供が親や学校など大人たちの反対を押し切って結婚するという刺激的な内容のボーイズ・ガールズ版ロマンティック・コメディ(と言っても、昔の映画ですから、プラトニックですが)。子供が先生たちに爆弾を投げる場面もあります。その意味で、60年代末から70年代にかけての学園紛争など、時代の反抗的気分を色濃く反映しています。

 原作・脚本は、後に映画監督として「ミッドナイト・エクスプレス」「ミシシッピー・バーニング」をつくるアラン・パーカー。そんな社会派の人ですから、「小さな恋のメロディ」の底に流れる体制批判は、彼の個性によるものかもしれません。ちなみにパーカーは「フェーム」もつくっています。学校をドラマの舞台にすることも好きなのかもしれません。

 このプラグラムには、特別鑑賞券がはさんであったので、そちらもついでにデジタル保存...

 イラストと写真のセット。ジャック・ワイルド・ファンも多かったのか、あるいは映画会社の意向か、マーク・レスタートレイシー・ハイドとワイルドの3人がプレイアップされるように配慮されています。

 70年代ノスタルジーの代表的映画ともいえますから、DVDがあるのは当然です。

小さな恋のメロディ [DVD]

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 で、この映画といえば、「メロディ・フェア」をはじめとしたビー・ジーズの楽曲ですから、サウンドトラックもいまだに販売されています。
小さな恋のメロディ ― オリジナル・サウンドトラック

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