ケネディ暗殺を調査した1964年のウォーレン委員会報告書。888ページ、5センチ以上の厚みです
いまから50年前の1963年(昭和38年)11月22日、ジョン・F・ケネディ大統領はダラスで暗殺されました。その年、連邦最高裁長官のアール・ウォーレンを委員長とするケネディ暗殺に関する調査委員会がつくられ、翌1964年(昭和39年)に報告書がまとまります。オズワルド単独犯行を結論としたウォーレン報告です。
で、我が家の奥で見つけた発掘物、映画、演劇関係が中心なんですが、その中から米国で製本・出版されたウォーレン委員会報告が出てきました。
ご覧のように1964年にダブルデイという出版社が出したもので、888ページのウォーレン報告書の前後に法律家のルイス・ナイザー(Luis Nizer)と歴史家・ジャーナリストのブルース・カットン(Bruce Catton)の解説がつき、厚さは5センチを超えます。ともかく厚い本なので、のどの部分がうまく、ご紹介できませんでした。これから先も同じです。ご容赦ください。
さて、巻頭の解説が終わったあとに、こんな内表紙もありました。
ケネディ大統領です。
続きまして、スタッフも含め委員会のメンバーを紹介したページ...
そして報告書への各委員のサイン...
下から2番目のジェラルド・フォードはのちの米国大統領。当時は下院議員でした。
この報告書、写真やら地図やら事件関係の図版が豊富です。葬儀でジャクリーン夫人と並ぶキャロライン・ケネディの姿も含まれています。
ケネディ大統領の暗殺事件では、暗殺の瞬間をアマチュア写真家のエイブラハム・ザプルーダーという人が8ミリで撮影しており、「ザプルーダー・フィルム」として知られていますが、委員会では、現場で車を走らせて事件の様子を再現し、オズワルドがライフルを撃ったというビルからの映像とザプルーダー・フィルムを照合したりしています。そんなページです。
1コマ1コマ、狙撃したビルからの風景と比較するなど、かなり綿密に検証している様子が伺えます(とにかく厚い本なので、本ののどの部分が流れています。さすがに、この本は解体はできず、といって、あまりの厚さにScanSnap SV600も通用せず...)。
ウォーレン委員会は、この報告書で888ページにわたり詳細に検証しているようですが、それでも人々を納得させるには至っていないようです。この報告で語られていない部分があるのではないか。本当に単独犯行なのか。裏に隠れている真犯人はマフィアだ、石油資本だ、軍需産業だ、キューバだ、なんだかんだと「事件の真相」をめぐる議論が続いています。それも含めてのケネディ伝説なんでしょう。若き輝けるヒーローを、ひとりの男がライフル1丁で簡単に殺してしまったというのでは納得できないという深層心理もあるのかもしれません。
さて、ケネディ大統領は日本でも人気がありましたから、暗殺を調査したウォーレン報告に対する関心は高かったようで、この報告書、日本でも翻訳出版されていたようです。
- 作者: アメリカ合衆国ケネディ大統領暗殺に関する大統領特命調査委員会,毎日新聞社
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 1964
- メディア: ?
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ダブルデイ版のウォーレン報告は、凶器になるんじゃないかと思うくらい暑くて重いですが、時は変わり、インターネットの時代になりまして、ウォーレン報告は米国公文書館のサイトで手軽に読むことができます。
★ Report of the President's Commission on the Assassination of President Kennedy
http://www.archives.gov/research/jfk/warren-commission-report/
ケネディ大統領暗殺事件から50年。半世紀が過ぎたわけですが、それでも、いまだに新たな事実が出てくるようで、最近では、こんな本が目を引きました。
- 作者: フィリップシノン,Philip Shenon,村上和久
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/11/11
- メディア: 単行本
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- 作者: フィリップシノン,Philip Shenon,村上和久
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- 発売日: 2013/11/11
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うーん。気になります。読んでみたくなります。こちらにダイジェストが載っていたんで読みましたが、いいところで終わっていて...
- 発売日: 2013/11/09
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