アガサ・クリスティ原作、シドニー・ルメット監督のオールスター映画「オリエント急行殺人事件」

　エルキュール・ポアロを現代に復活させた映画といってもいいかもしれません。

　アルバート・フィニーがエルキュール・ポアロを演じたシドニー・ルメット監督のオールスター映画「オリエント急行殺人事件」。1974年（昭和49年）の公開です。この映画で、アガサ・クリスティ人気が復活し、ポアロを主人公とした映画やテレビが続々と作られることになりました。

　プログラムの表紙を開くと...

　豪華俳優陣。まさにオールスター・キャストです。

　まずは原作者と監督の紹介ページ。

　アガサ・クリスティが亡くなったのは、1976年なので、この映画の世界的なヒットで最後に再び脚光を浴びたわけです。幸せな作家人生だったかもしれません。まさに最後に一花咲かせました。監督はシドニー・ルメット。社会派のイメージが強いんですが、こういうエンターテインメントも得意だったんですね。

　続いて、スタッフ・キャストのリスト...。

　ジャクリーン・ビセットがゴージャスに美しかった映画です。

　物語の紹介...

　右上に寝台車で、誰がどの部屋にいたのか、わかります。オリエント急行がどこを走っていたかも地図で説明されています。

　そして、豪華俳優陣の紹介...

　イングリット・バーグマン、ローレン・バコール、ヴァネッサ・レッドグレーヴといった大物女優に加え、リチャード・ウィドマーク、ジョン・ギールグッドといった大物演技派が顔を揃える中で、ショーン・コネリーでさえ肩身が狭そうに見えました。

　アルバート・フィニーは「いつも２人で」の頃と比べると、随分、つくった役作りでした。でも、その後、「ナイル殺人事件」とか、「地中海殺人事件」などでは、ピーター・ユスティノフにポアロ役を譲り、自らの当たり役にしようとしませんでしたから、このあたり、フィニーらしい演技へのこだわりなのかもしれません。固定したイメージをつける役はやらないという考えなんじゃないんでしょうか。

　で、最後の見開きページは、ルメット監督と俳優陣の記念写真....

　これだけの顔ぶれだと、どうやって席を決めたのだろうか、と思ってしまいます。

　そして裏表紙...

　こちらはまあ、オーソドックスです。でも、役者も揃っていて、面白い映画でした。

　当然、DVDになっています。

オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

　原作はこちら。翻訳もいろいろとあります。

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

オリエント急行殺人事件 (ポプラポケット文庫)

　原著で読みたい方は...

Murder on the Orient Express (Poirot)

　和訳ルビ付きも

オリエント急行殺人事件 [英語版ルビ訳付] 講談社ルビー・ブックス

　アガサ・クリスティのポアロ物の代表作でもあるので、映像化は、この映画にとどまりません。

名探偵ポワロ ニュー・シーズン DVD-BOX 4

オリエント急行殺人事件~死の片道切符~ [DVD]

　ただ、豪華俳優陣勢揃いの華やかさからいうと、やはり、ルメットーフィニー版ということになります。