ビリー・ワイルダー監督の「シャーロック・ホームズの冒険」

 ベネディクト・カンバーバッチのテレビドラマ・シリーズ「SHERLOCK」のヒット以来、シャーロック・ホームズに再び注目が集まっているようですが、こんなものもありました。

 1970年に製作され、日本では1971年(昭和46年)に公開された「シャーロック・ホームズの冒険」、有楽町・スバル座のプログラムの表紙です。当時は、007シリーズなども、こんな画風のイラストで、表紙だけ見ますと、エロティックな女性が中心にいますが、映画自体に、こうした女性が登場するわけではありません。それは、スタッフ・キャストを見れれば、わかります。

 1970年代とはいっても、監督はビリー・ワイルダーですから、直接的なセクシー場面を登場させるわけもありません。脚本は、ビリー・ワイルダーI・A・L・ダイアモンドという、いつものワイルダー映画のコンビです。

 キャストも地味目ですが、シャーロックの兄、マイクロフト・ホームズをドラキャラ役者で有名なクリストファー・リーが演じています。

 俳優が地味なこともあり、プログラムでも、まず紹介されるのは、この人...

 ビリー・ワイルダーです。そして、この人...

 ワイルダーと、いつも一緒に脚本を書いてきたダイアモンドの紹介となります。

 その後に主役2人の紹介です。

 地味です。シャーロック・ホームズの雰囲気ではありますが、地味です。ヒロインも地味目です。

 ワトソン君は...

 コリン・ブレークリイ。「オリエント急行殺人事件」にも出ていました。

 裏表紙は...

 ロンドンです。どこか、「ピーターパン」とか、一昔前のディズニー映画を思わせるタッチでもあります。

 ビリー・ワイルダーの作品で、シャーロック・ホームズものということもあり、DVDにはなっているようです。ただ、「シャーロック・ホームズの冒険」で検索すると、まずTVシリーズのほうが引っ掛かるようです。

 おまけで、ホームズを現代に読みがらせた「SHERLOCK」も...
SHERLOCK / シャーロック [DVD]

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SHERLOCK/シャーロック シーズン2 [DVD]

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 さて、もうひとつ、おまけでワイルダー映画の研究書としては、こんなものがあります。
ワイルダーならどうする?―ビリー・ワイルダーとキャメロン・クロウの対話

ワイルダーならどうする?―ビリー・ワイルダーとキャメロン・クロウの対話

 「あの頃ペニー・レインと」「幸せへのキセキ」などを監督したキャメロン・クロウビリー・ワイルダーに、ひとつひとつの作品についてインタビューしたものです。ワイルダーの映画術がわかります。