1960年代スパイ映画ブーム時代に作られたB級スパイ映画「イスタンブール」

 「ドクター・ノオ007は殺しの番号)」「ロシアより愛をこめて(007 危機一発)」など007シリーズの大ヒットで、1960年代はスパイ映画ブームでした。エキゾチックな国際都市で、美女とスパイの大活劇というパターンです。そんな時代に作られたスパイ映画のひとつです。

 1966年(昭和41年)公開の「イスタンブール」の表紙です。007シリーズでいうと、「サンダーボール作戦」と「007は二度死ぬ」の間ぐらいに公開された映画で、まあ、B級映画といって、いいのではないかと思います。ちなみにイスタンブールは「ロシアより愛をこめて」の舞台でもあります。

 まずはスタッフ・キャストの紹介です。

 左のページでマシンガンをぶっ放している主演のホルスト・ブーフホルツは「荒野の七人」にも出ていたドイツ出身の俳優さん。ヒロインは、旧ユーゴスラビア出身の美人女優、シルバ・コシナ(シルヴァ・コシナ)です。で、スタッフを見ましても、有名な人は少なく、やっぱり、B級スパイ・アクション映画色が濃厚です。

 goo映画やallcinemaを見ますと、米国映画となっていますが、これは日本では米コロンビアが配給していたからのようで、IMDbを見ると、国名はスペイン、イタリア、フランスの合作となっています。こちらのほうがイメージに近い感じがします。特にイタリア。マカロニ・ウェスタンもそうでしたが、受けそうなネタがあると、すぐに後追いして、つくるのが得意でした。

 キャストで見ると、クラウス・キンスキーが入っています。美人女優、ナターシャ・キンスキーのお父さんは容貌魁偉でエキセントリックな悪役を得意としていました。そのあたりもB級感があります。

 で、もはや忘れ去られた映画なので、解説も...

 ギャング、スパイ、美女が入り乱れて、スリルとサスペンスとユーモアがてんこ盛り、というような感じの映画と謳っております。これぞ、エンターテインメントです。

 次に、主演のふたりの紹介...

 この二人はいろいろな映画に出ています。シルヴァ・コシナは1950〜60年代のミューズのひとりでありました。おまけに他のキャストも...

 左のカラーページは「トルコ風呂」の場面。イスタンブールがあるトルコのお風呂という意味のトルコ風呂です。

 で、裏表紙...

 ベリーダンスというわけで、観光映画のように、その土地の名物を盛り込むのも、国際スパイ映画の基本でした。

 B級映画は、サービス精神旺盛で面白いのですが、なにせ忘れ去られた映画なので、さすがにDVDやVHSにはなっていないようです。で、その代わりに、シルヴァ・コシナが一躍注目を浴びることになった、イタリア映画をひとつ...

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 ピエトロ・ジェルミ監督の「鉄道員」。デジタル・リマスター版ですが、アマゾンの紹介を見ますと、「愛蔵版 欧州女優コレクション~第1期~ “我が青春のミューズたち”が、高画質でさらにゴージャス&セクシーに!」ということなんで、シルヴァ・コシナが売りのようです(「鉄道員」自体は、家族愛をうたったイタリア映画史に残る名作ですが...)。根強いファンがいるんですね。そんなわけで、パッケージにも写真が出ています。