ジャン=ポール・ベルモンド、カトリーヌ・スパーク主演の戦争映画「ダンケルク」
1960年代は「史上最大の作戦」をはじめ、戦争映画が数多く作られた時代でした。ハリウッドの戦争映画は苦い勝利かどうかは別にして、勝ち戦の映画が多いですが、フランスの場合は、スターを使っても、そう単純にはなりません。そんな映画がこちら...
1964年製作、1965年(昭和40年)1月日本公開の「ダンケルク」です。東京・有楽町にあった日比谷映画劇場のプログラムの表紙です。ナチス・ドイツの電撃作戦によって、英仏連合軍は大西洋岸のダンケルクに追い詰められ、英国への脱出作戦を展開するのですが、そこでの数日間を描いた映画。先日、NHK BSプレミアムで放映していました。表紙の兵士は、当時フランスの若手スター、ジャン=ポール・ベルモンドです。
で、スタッフ・キャストの紹介ページです。
原作は、ロベール・メルルの「ズイドコートの週末」。ゴンクール賞受賞作だそうです。キャストでいうと、ベルモンドの相手役は、当時の若手人気女優、カトリーヌ・スパーク。イタリア映画でブレークした人なので、イタリア人かと思ったら、ウィキペディアによると、ベルギー出身だそうです。この映画のほか、「輪舞」とかフランス映画にも出ています。フランソワ・ペリエ(フランソア・ペリエ)は、フランスの演技派の名優で、「サムライ」「仁義」などジャン・ピエール・メルヴィルの映画にもよく出ています。で、この部分、時代がわかるので、広告との見開きページで、スキャンしてみました。
この映画は何といっても、ジャン=ポール・ベルモンドの映画なので、紹介は見開きです。
このプログラム、なぜかカトリーヌ・スパークの露出は少なくて、彼女が出てくるのは左ページ下と、もう1ショットぐらいしかありません。この映画、英米連合軍の兵士が爆撃に追われる場面ばかりで、ドイツ兵との派手な戦闘シーンはなく、主人公のベルモンドが撃つのは敵兵ではなく、スパークを襲おうとしたフランス軍の敗残兵だったりする「ドラマ」なのですが、興行的には「男の戦争映画」として売りたかったようです。映画館が、アクションモノを専門としていた「日比谷映画」であることからも、そのあたりが伺えます。
で、最後に監督と撮影の紹介....
監督は「地下室のメロディー」など、フィルム・ノワールの巨匠、アンリ・ベルヌイユ。撮影は、ヌーベル・バーグから「太陽がいっぱい」までフランス映画を代表する名カメラマンとして知られるアンリ・ドカエでした。豪華キャスト・スタッフの映画だったわけです。戦争映画としては地味で、ちょっと暗めの青春映画風でしたが...。で、ここも見開きページで。MGCは、この頃、流行のモデルガン・ショップでした。
そしてDVD化状況。派手さはない映画なので、どうかな、と思ったら、DVDが出ていました。何と言っても、ジャン=ポール・ベルモンドの主演で、スタッフも一流でしたから。
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