グレゴリー・ペック主演、ロバート・マリガン監督の「レッド・ムーン」
「アラバマ物語」で組んだグレゴリー・ペック主演、ロバート・マリガン監督のウェスタン。1968年製作で、1969年(昭和44年)の日本公開。
インディアン(ネイティブ・アメリカン)を追い、追われ、という話だが、ペック=マリガンというリベラルなコンビの映画だから、「インディアン=悪」という単純な図式にはなっていない。そんなところが、ベトナム戦争が泥沼化していった時代の米国の空気を反映しているのかもしれない。見開き型のチラシで、上の表紙を開くと、こんな感じで、見開きの内容紹介となる。
共演は「北北西に進路を取れ」のエバー・マリー・セイント。さらに、裏表紙に当たる部分には、当時の映画評論家の大御所、荻昌弘の解説が載っている。この映画が持つアメリカ批判の政治性についても触れたりしている。西部劇にも政治的、社会的なメッセージを読む時代だったのだ。
このチラシを読むと、この映画、テレビ・ネットワークのCBSが映画に進出した第1回作品としても話題になっていたらしいが、アマゾンを見ると、VHSにもDVDにもなっていないようだった。こうした映像資産を大切にしないところがテレビらしかったりして。グレゴリー・ペック=ロバート・マリガンで言うと「アラバマ物語」はブルーレイになっているし、マリガン監督がこのあと作った「おもいでの夏」もDVDになっているが、「レッド・ムーン」は見当たらない。