A・クイン、A・ドロン、そしてクラウディア・カルディナーレがアルジェの女になった「名誉と栄光のためでなく」
インドシナ戦争、アルジェリア戦争というフランスの2つの植民地における独立戦争を舞台にした映画です。
1966年(昭和41年)公開の「名誉と栄光のためでなく」。植民地の独立を鎮圧するために投入されたフランスのパラシュート部隊を主人公にした物語が、ハリウッド映画です。プログラムの表紙に出演者の名前が載っていますが、アンソニー・クイン、アラン・ドロン、モーリス・ロネ、ジョージ・シーガルにクラウディア・カルディナーレと米国、フランス、イタリアの人気俳優(当時)が揃った国際オールスター映画になっています。
監督はカナダ生まれのマーク・ロブソン。監督や原作、ロケ地などを紹介したページがこちらです。
スチル写真にキャプションが付いていて、これを追っていくと、大体の筋もわかります。インドシナ戦争から始まりますが、舞台の中心はアルジェリアです。アルジェリア独立戦争というと、ジッロ・ポンテコルヴォ監督の「アルジェの戦い」が有名ですが、これは1966年製作で、日本公開が1967年。その1年前の映画ですが、米国がフランスの戦争を描く気楽さか、フランス軍による独立派に対する拷問など、フランス軍の道徳的ジレンマを冷徹に描いています。ベトナム戦争は既に悪化の一途でしたが、まだ、どこか余裕があり、他人事だったのかもしれません。このあと起きた1968年のソンミ村虐殺事件など、米国にとっても深刻な問題になっていくのですが...。
何のために戦っているのか、わからなくなっていくというアラン・ドロンが悩めるフランス人将校を演じた映画ではあるのですが、そんななかで、映画の華になっているのが、アルジェの女に扮したイタリアの女優、クラウディア・カルディナーレです。プログラムをつくった人も好きなようで、見開きページで、かなり力を入れて紹介しています。
さらに裏表紙もアンソニー・クインとアラン・ドロンに挟まれ、中心はクラウディア・カルディナーレです。
好きだったんですねえ。あるいは、マーケティング上、男だけの映画ではないことを打ち出したかったのかもしれませんが。
BSやCSで時折、放映されている映画ですが、DVDもあります。
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